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『かたち』

同じ「まる」でも、思い浮かべるものは人それぞれ。形を個性に重ね、自由な発想と一人ひとりの違いを大切にした絵本です。

公式読み聞かせ動画

『かたち』公式読み聞かせ動画

色や形そのものを眺める楽しさと、そこから自由に想像する楽しさを込めた、まるぽぽのオリジナル絵本です。公式YouTubeの読み聞かせを、このページでそのまま楽しめます。

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『かたち』の表紙

オリジナル絵本

『かたち』を読んでみる

とてもシンプルだからこそ、色を見る、形を見る、何かに見立てる、物語の奥に込めた意味を考えるなど、その人なりの入口から楽しめます。

現役保育士のがおはなしを考え、ママイラストレーターのが絵を描いています。

この絵本に込めた思い

シンプルな「かたち」の奥に、無限の見方を。

『かたち』は、とてもシンプルな内容の絵本です。まだことばの意味を十分に理解しない小さな子どもも、色や形を「見る」「触れる」ところから楽しめるようにつくっています。一緒に読む大人には、最初は少し物足りなく見えるかもしれません。でも、そのシンプルさの奥に込めた思いは、とても大きなものです。

テーマは「形はカタチでも、いろいろあるよ!」。たとえば「まるを想像してください」と言われたとき、頭に浮かぶものは人によって違います。

大きさ、色、数。図形、文字、丸いもの。たった「まる」というひとつの言葉から、無限に近い見方が生まれます。そして、そのほとんどに間違いはありません。まるぽぽは、そんな自由な発想を大切にしたいと思っています。

さらに「形=個性」と考えて読むと、物語の奥にもうひとつの意味が見えてきます。いろいろな形、いろいろな個性を認め合い、尊重し合える温かい輪が広がっていったら。そんな願いを込めた絵本です。

絵本のねらい

『かたち』から広がってほしいこと

ここに挙げる「ねらい」は、何かを正しく身につけるための到達目標ではありません。まずは純粋に絵本を楽しむこと。その時間の中で、形や自分、他者への見方が少しずつ広がっていけばうれしいです。保育などで読むときには、頭の片隅に置いておける視点としてまとめています。

絵本そのものに興味を持つ

内容を理解することだけが、絵本の楽しみ方ではありません。「絵本を見てみたい」「触ってみたい」「もう一度開きたい」。まずは絵本そのものが興味の対象になってくれたらと思っています。

『かたち』が、誰かにとって「絵本が好き」につながる小さなきっかけになれたらうれしいです。

日常の「かたち」に気づく

私たちは日々、たくさんの形に囲まれています。でも、意識していなければ、形に触れていること自体に気づかないこともあります。

絵本の中で「かたち」に目を向けることで、身の回りにも「ここにもまるがある」「こんな形もある」と、新しい発見が生まれていけばと思っています。

想像の幅を広げる

見たままの形や色を楽しむだけでも十分です。そこからさらに「何に見える?」「この形が集まったら何になる?」と想像すると、同じページからいくつもの物語が生まれます。

答えをひとつに決めず、思いついたことをそのまま楽しめる余白を大切にしています。

自分なりの「かたち」を持つ

「自分はこれも“まる”だと思う」「私はこの“まる”が好き」。そんな自分なりの見方や好みに気づくことも、この絵本から広がってほしいことのひとつです。

子どもだけでなく大人も、自分の考えを持ち、それを自分らしさとして大切にできたら。その小さな実感が、自信につながっていけばうれしいです。

相手の「かたち」も大切にする

自分なりの形を持つことと同じくらい、ほかの人の形を受け入れることも大切にしています。違う考えを心から認めることは、大人にとっても簡単ではないかもしれません。

「私はこの“まる”が好き。でも、あなたの“まる”も素敵だね」。そんな気持ちを持つ人が増えたら、まわりにはもっと優しい輪が広がっていくのだと思います。

絵本作成のきっかけ

「あなたはあなたのままでいい」を、形で伝えたかった。

私たちまるぽぽは、障がいのある子どもたちと関わる仕事の中で、たくさんの違いと出会ってきました。そこで感じたこと、伝えたいと思ったことが、この絵本をつくる大きなきっかけになっています。

障がいがあってもなくても、みんな同じ一人の人です。生まれる場所も、育つ環境も、性格もそれぞれ違います。その中でつくられていく「普通」や「当たり前」も、人によって違って当然なのだと思います。

その固定された見方の幅を少し広げて、「あなたはあなたのままでいいんだよ」と肯定できる存在でありたい。そんな思いを持っています。

「形は形でもいろいろあるよ」は、「性格は性格でもいろいろあるよ」へ。「どれも素敵な形だね」は、「どれも素敵な個性だね」へ。一人ひとり違っていて、その違いがどれも素敵だと感じている私たちだからこそ伝えられる絵本をつくりたいと思いました。

絵本作成秘話

子どもたちの発想に、絵本の方向を教えてもらった。

「つくりたい」が「つくろう」に変わってからも、すぐに内容が決まったわけではありません。身近な形で個性を表すこと、形を使うことは最初から決めていましたが、どこを一番大切にするかは何度も迷いました。

一つの形にもいろいろあることを見せるのか。複数の形を並べたときの発想を大切にするのか。一つの形そのものをじっくり味わうのか。「カタチで絵本をつくる」と考えるだけでも意味は無限にあり、話せば話すほど分からなくなるような時間もありました。

そこで浮かんだのが、「子どもたちの発想力って、実際にはどんなものなんだろう?」という疑問でした。単体の形を描いた紙や、いくつかの形を並べた紙を渡して、子どもたちに自由に連想してもらいました。

すると、私たちが想像していた以上に多彩な答えが返ってきました。同じ形からまったく違うものが見えてくる。その姿を見て、改めて子どもたちの発想の豊かさに気づかされ、絵本で大切にしたい方向が見えてきました。

絵本の工夫したところ 01

同じ形、同じ色の系統でも、一つひとつ違う。

形ごとに色の系統をそろえることで、「同じ一つの形の中にも、いろいろある」ことを表現しています。さらに、一つひとつ色の塗り方を変えることで、似ているように見えても、それぞれに違うところがあることを描きました。

一見するととても簡単な絵本ですが、実は一つひとつに小さなこだわりがあります。「この色が好き」「この塗り方が好き」「この形が好き」と、自分のお気に入りを探しながら見るのも楽しみ方のひとつです。

絵本の工夫したところ 02

集まった形から、また別の景色が見えてくる。

「ねえねえ、みてみて なんだろう」というフレーズが出てくるページは3ページあります。そこでは同じ形を集めていますが、3ページとも配置を変え、それぞれ別のイメージが生まれるように一ページずつ考えて描いています。

基本は一ページにつき一つの形を見せていますが、この3ページだけは同じ形が集まります。単体で見たときとは違うものに見えることで、さらに自由な連想が生まれるようにしました。

たとえば、ピンク系のまるが集まるページを見て、「お皿からこぼれ落ちているみたい」「宇宙が広がっているみたい」と感じる人もいるかもしれません。どんな答えでも大丈夫。見る人それぞれの発想が、そのページの続きをつくってくれます。

まるぽぽの絵本づくり

年齢で区切らず、それぞれの楽しみ方で。

まるぽぽの絵本に、対象年齢はありません。色や形を眺める、ことばの響きを楽しむ、そこから自由に想像する、物語の奥の意味を考える。どの年齢の方にも、その人なりの楽しみ方で味わってもらえたらと思っています。

まるぽぽと、つくる2人について